さて、ひと月ほどかけて製作してきた三笠もいよいよ完成です。
艦橋部分を船体に接着する前に日本海海戦時に施されていた
露天艦橋周りのマントレット取り付けが最終の作業となります。
マントレットとは戦闘時の防弾、爆風などからの衝撃防御として、
船員用のハンモックを硬く絞り巻いたもので弾除けバリケードです。
キットのマントレットは一本の直線帯形のパーツ数本を
取り付け位置の長さにカットして使うものでこれが非常に
神経を使う作業になりました。
艦橋デッキの各辺の長さに合わせてカッティングし
柵状に囲むようにとりつけます。
色は説明書指定どおり、セールホワイトで塗りましたが
やや黄色がつよいうようですので単純に白でも
良かったかもしれません。
最後に日本海軍軍艦の象徴菊花紋章を取り付けます。
御紋章は船首の形状に合わせて裏面を少し削り溝を彫り「く」の字に曲げます。
これを艦首に接着。モデル完成です。
日本帝国海軍 戦艦「三笠」は、1902年に英国で建造されたもので
翌年には連合艦隊旗艦となり
その後の黄海海戦、日本海海戦と戦歴を重ねます。
しかしその華々しい武勇伝とは対照的に、停泊中の弾薬庫爆発事故で
戦闘より多くの乗組員の死者を出したり濃霧で浅瀬で座礁し浸水するなど
三笠は不運にも多くみまわれた船でした。
その後、横須賀に記念艦として保存され、第二次大戦後は
戦勝国により解体されそうになるも、奇跡的に取り壊しを免れ
今も横須賀の記念公園でその姿を見ることが出来るという
貴重な日本海軍の軍艦です。
余談ながら記念艦三笠の艦首は皇居の方角に
向けられているとのことです。