昨日アメリカで行われた映画界のアカデミー賞で
日本の「富士フイルム」さんにアカデミー科学技術賞が贈られました。
受賞対象は同社が一昨年開発した映画記録用フィルムで
撮影時の美しさをそのままに500年保存が出来ると言う商品だそうです。
映画の本場アメリカ・ハリウッドといえばいち早く
撮影記録のデジタル化に取り組んできた業界です。
日本のパナソニックやソニーあたりはその先進的な役割を果たし実際
製作現場の多くの機材にこれらのデジタル機器が使われ欠かせません。
当然、配給作品自体もデジタル映像映画となり現在日本の多くの映画館では
フィルム映像を映写するのではなくデジタル記録された信号を
投影する方式に変わりました。
そんな昨今にあって映画用フィルム自体が技術的に注目されるのは
意外な気もします。誰もがデジタルで記録すれば永遠に安心だと思いますよね。
しかしデジタルメディアは記録方式や再生方式の多様化と進化に
対応させずらいという欠点があるんです。例えば家庭用ビデオカメラシステム。
この、ほんの20年前ほど昔に世間に普及したこの映像記録システムは
技術の進化にともないことごとく記録方式が変わり新システムに替わりました。
VHSカメラや8ミリビデオで記録された映像は現代の映像機械との
互換性に欠けます。それと同じような理屈でデジタル記録というのは
案外長期保存には向いていないんですよね。
それに比べてフィルム記録というのは再生フォーマットの変化に
対応させやすいのだそうです。
ローテクのハイテクというか単純明快な技術は普遍で存在し続けるというか
なかなか面白い受賞となりましたね。
そういえば劇場での写真撮影も最近は「デジカメ」化が進んでいます。
このままフィルム写真というものが、あっさり無くなってしまうのか・・・
奇しくも、色々考えさせられる話題となりました。