私が、ストリップ劇場をはじめて覗いたのは、
今から約20年ちょっと前の学生時代でした。
当時就職活動中の私は、着慣れぬスーツでの企業訪問。
何だかそういう格好をしただけで、
社会人のような気分になっていたものです。
ある日、そのような妙なテンションで飛び込んだのがストリップ劇場でした。
当時ストリップ小屋は風俗初心者の登竜門的存在でした。
「博多ロック」・・・当時「ハリウッド」とは別小屋で、周辺の他の劇場と
比較しても真新しい綺麗な劇場でした。
「浅草より九州初御目見え!宝三姉妹!!」ケバケバしい蛍光塗料の
看板のうたい文句に引き寄せられ、
入場して初めて目にしたステージは雅麗華嬢のステージでした。
白いTシャツ姿に股上の浅いホットパンツ姿で躍動する彼女のダンスが
何とも初々しくセクシーだったのを今でも記憶しています。
当時の感激は今でも心に刻み込まれいています。
それから社会に出た後も、あちらこちらのストリップ劇場を訪れてきました。
思い返すと、そのほとんどの劇場は今はもうありません。
そんなかつての思い出が残る街を、ぶらりと再び訪れてみる事にしました・・・
第一回 北九州市八幡西区黒埼駅前
「DX黒崎劇場」
北九州市の西部、
「副都心」と呼ばれていた西区黒崎地区
JRの駅前から放射状に伸びた
道路やアーケード街が特徴的。
慣れないうちは方向感覚が
つかみ辛い地理です。
スーパー、デパートはもちろん
映画館や飲食店も多く
風俗の御店も多い街でした。
当時そんな駅前の西側には
筑豊電鉄と西日本鉄道の
黒崎駅があり頻繁に
電車が発着していました。
駅は周辺の雑多な飲食店街に
埋もれるような感じで存在しており、
ここを通って通勤する男性諸氏は
毎夜、多くの誘惑にかられていたことでしょう。
そんな駅前と国道3号に挟まれた旧態依然な一画に「DX黒崎」がありました。
ある知人はこの劇場で「コント・レオナルド」の
ステージを見たそうで、レオナルド熊氏は、そこで
「いい若い者が、真昼間からストリップなんか見ていてはダメだ!」と
説教コントしていたそうです。(笑)
そんな、愛すべき街は駅前区画整理にともなう再開発で
街と駅ごと、ごっそり無くなって再開発されてしまいました。
バブルのころに計画された、人の血の通わない形だけの奇麗な再開発ビルも
今は、ほとんどが空きビルとなって、人気も無いビルは巨大な空母にもにた
その威容だけを今も見せつけています。
▲劇場どころか街ごと消えて再開発された黒崎駅前